Shade3Dのコツ<草原を作ろう>
 

 メインのオブジェクトはできたけど背景はどうしようと悩む方も少なくないと思います。そんなときは草原などを作ってみてはいかがでしょうか?簡単に作れるうえ緑の彩りもよく背景として使いやすいと思います。では具体的な作業に取り掛かりましょう。
 
サンプル図

 

●基本形状の作成
 

●長方形の作成
 今のところ草の作り方として2種類考えています。そのうちの1つは四角い自由曲面にテクスチャを貼り付ける方法です。まずは図1のように長方形の閉じた線形上を作成します。形として細長くしたほうがいいでしょう。
 
基本形状の作成
図1
基本形状の作成
●自由曲面の編集
 次に図2のように自由曲面に変換します。これは長方形のままだと自由に形を変更できないからです。そしてコントロールポイントを図3のように追加します。このとき編集モード(コントロールポイントが赤い状態)でなくてはいけません(図2参照)。

 コントロールポイントはz+xキーを押しながら追加したい線形上の上をドラッグします。またツールボックスの編集より切り替えを選択しないとうまくコントロールポイントを追加できないかもしれません。
 
形状編集の準備
図2
形状編集の準備
コントロールポイントの追加
図3
コントロールポイントの追加
●自由曲面の変形
 コントロールポイントを部分的に選択して回転などで少し変形させます。変形させたい部分のコントロールポイントをshiftキーを押しながらドラッグして囲むと選択できます。回転はコントロールボックスの移動より行います。
 
編集作業
図4
編集作業
形状の変形
図5
形状の変形
  

●テクスチャ作ります
 

●葉っぱ描き
 ここからがポイントになるのですが、図6のような草のテクスチャを描きます(たとえば700×150pixelで)。ペイントソフトとしてはPhoto Shopが最適なのでしょうが私自身持っていませんし、フリーソフトとしてはお気に入りツールにあるPict BearGimpでもある程度は大丈夫だと思います。

 The Graphicsを使用している方はブラシの詳細設定でフェードにチェックをつけると良いです。レイヤーの背景は透明にしてください。ポイントとしてはコピー・貼り付けを多用して横着せずランダム性を持たせながら描くことです。またタブレットを使って描いたほうが楽ではありますが、マウスでも可能です。

 次にこのテクスチャに色の変化具合をつけます。次に新規レイヤーを作成します。どのペイントソフトにも不透明を選択または指定した色を選択があるはずなのでそれで草を選択します。そしてブラシを使います(色は黒)。ブラシで草の根元あたりを塗るのがポイントです。
 
 
草のテクスチャ
図6
草のテクスチャ
編集風景
図7
編集風景
●レイヤー操作
 できたら図8のようにこのレイヤーの属性をオーバーレイに変更し、透明度を自分の好みの値に変更します。同様の手順で新規レイヤーを作成し、ブラシの色をにして草の上のあたりを塗り、レイヤー属性をオーバーレイにし、透明度を調整したらテクスチャの完成です。
 
レイヤー操作
図8
レイヤー操作

 
●色々な形式での保存
 完成したテクスチャを完成品としてbmpファイルで保存します。次にこのファイルを開きなおし、フィルタにあると思うのですがグレー化を選択・実行します。これはカラーのものを白黒に変換するフィルタです。これをバンプマップ用画像として別名でbmpファイルで保存します。

 次に元のテクスチャをまた開き、今度は2階調化のフィルタを選びます。これは白か黒かの2色だけに変換するものです。なければ不透明選択で全部を黒く塗りつぶしてください。これをトリム用画像としてbmpファイルで保存します。

 さらに元の画像を開きなおし、今度はフィルタですべての色相を変化みたいなのがあると思いますので、最初とは違う傾向の色に変換してみましょう。これも保存します。何パターンか作っておくと便利です
 
 
基本テクスチャ
図9
基本テクスチャ
バンプ用
図10
バンプ用
トリム用
図11
トリム用
草の別パターン
図12
草の別パターン
 

●テクスチャ貼り貼り
 

●Shadeでの操作
 大元のテクスチャを、先ほど作った自由曲面に、次のようにして貼り付けます。図13のように自由曲面を選択した状態で表面材質ツールを表示させ、@新規ボタンを押し、Aイメージ押します。B何も表示されていない四角の中で右クリックするとイメージの読み込みがあるのでクリックし、先ほど作ったテクスチャを選択します。ラジオボタンより座標をzにします(正面図で自由曲面を作った場合)。このときスムーズにもチェックを入れておくといいでしょう。
 
テクスチャの読み込み
図13
テクスチャの読み込み

 
●テクスチャをぴったり貼り付け
 次に座標合わせをしなくてはいけません。側面図にてctrlキーを押しながら自由局面のあるところでクリックし、同様に正面図で自由曲面の左下をクリックします。次に表面材質ボックスの右上に”その他”というボタンがあるのでこれを押します。するとその他の属性というウインドウが表示されるので右上にある現在の座標を使用ボタンを押しましょう。
 
位置合わせ
図14
位置合わせ

 
ぴったり合わせるために
図15
ぴったり合わせるために
●テクスチャの大きさあわせ
 表面材質ボックスの下に変更というのが小さくあります。この四角をチェックすると黒い四角の枠が表示されると思います。この枠に小さく黒い四角があるのでShiftキーを押しながらドラッグすると大きくできます。また、図16を参考に表面材質ボックス中のMを2箇所クリックしましょう。これはテクスチャの座標と大きさを記憶させるボタンです。
 
大きさ調整
図16
大きさ調整
 
●バンプ用テクスチャ設定
 次に図14で@レイヤー層の階層2を選択、Aさっきと同様に右クリックしてイメージを読み込みますが、ここではバンプ用画像を選択します。B属性をバンプにします。Cマッピングの濃度を選択して3と入力しましょう。私も最近知ったのですがバンプマップを何層も重ねなくても濃度の値を大きくしてあげると効果が大きくなるようです。また表面材質ボックス中のMの隣にあるRを2箇所クリックしましょう。これで先ほどのテクスチャの座標、大きさに自動で合わせてくれます。
 
バンプの設定
図17
バンプの設定
 
 

●(続)テクスチャ貼り貼り

●トリムテクスチャ
 同様にレイヤー層の階層3を選択して今度はトリム用画像を読み込みます。基本的には先ほどと同様ですが、それ以外に色々と変更があるので文章より図を見たほうが早いと思うので図18を参考に進めてみてください。ここでの操作が1番のミソになるので注意してください。
 
トリムの設定
図18
トリムの設定

 
●テストレンダリング
 ここまでできたでしょうか?1度レンダリングしてみましょう。う〜ん、どうでしょう?見やすくするために背景は白にしてあります。まあ、とりあえず先に進めますね。
 
テストレンダリング
図19
テストレンダリング

 
●マスターサーフェイスの作成
 1度表面材質を登録します。表面材質ボックスの右上に登録があるのでクリックして登録しましょう。次に登録ボタンの下に保存ボタンがあるのでこれもクリックし保存します。保存できたら登録ボタンのそばに削除ボタンがあるので1度表面材質を削除します。そして自由曲面を選択し、ツールボックスより直線移動複製等を選択して複製します。 
 
マスターサーフェイスに登録
図20
マスターサーフェイスに登録
 
草形状の複製
図21
草形状の複製
●マスターサーフェイスの使用
 元の自由曲面には表面材質ボックスより使用ボタンを押して登録した表面材質を適用します。複製した自由曲面には表面材質ボックスより読み込みボタンを押して保存した表面材質データを読み込みます。そして階層1のイメージを選択し、テクスチャが表示されている部分で右クリックして別の色相のテクスチャを読み込みます。この操作を繰り返せば簡単に草の種類を増やせます。

 うっかりしていたのですがx軸に関して繰り返しを3に設定したいと思います。こうすることで草がより細長くなります。これをすべての階層・表面材質について行います。
 
複製形状に、別のマスターサーフェイスを適用
図22
複製形状に、別のマスターサーフェイスを適用
 
  

●仕上げに向けて

●草形状の大量生産
 1度右の図のように上の階層にパートを新規作成し、その中に作った自由曲面達を入れます。あとはそれぞれの自由曲面をランダムに、適度に大量に複製します。このときの作業は上面図からやるのが吉です。
 
草の大量生産
図23
草の大量生産
 
●最終レンダリング
 表面材質設で光沢を少し変更したので参考にどうぞ。またこのとき地面(茶色い長方形ですが)も一応追加されています。では最終レンダリングをして見ましょう。どうでしょう、少しは草原っぽく見えるでしょうか。うまく活用すればそれなりの効果を得られるはずです。
 
質感調整
図24
質感調整
完成図
図25
完成図

 
●最後に
 お疲れ様でした。今回はこれで終了です。今回のやり方での草原は”生き物ギャラリー”の中の馬の絵に使われています。次回は別の方法で草原を作ってみたいと思います。サンプルデータを希望される方はメールなどで教えてもらえれば差し上げます。
 
 
 
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