Shade3dDのコツ<木を作ろう>
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今回は木を作ってみたいと思います。木は野外でのシーン以外にも建物の小物の一部として、また観葉植物的な使い方など用途は色々とあります。緑系のものは目への印象もいいので積極的に取り入れてみるといいと思います。 |
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●基本形状の制作
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●自由曲面の作成
まず幹から作っていきます。今回は私の好みも取り入れて2種類の幹を作ってみます。どちらか好きなほうを作ってみるといいでしょう。1つはごく普通のものです。最初に上面図にて円を作り、それを掃引して円柱を作ります。そして自由曲面に変換します。
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図1
円柱の作成
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●コントロールポイントの編集
ブラウザより図2の赤で囲ってある閉じた線形上を削除します(選択し、右クリックで削除を選ぶ等)。コントロールポイントを編集状態にして、パートではなく自由曲面を選択してあることを確認した後、正面図にてz+x+マウスのドラッグでコントロールポイントを図3のように追加します(円柱の真ん中あたりは自分の好みに応じて)。
このとき先ずツールボックスより、編集>切り替え、を選んでからやってください。次にまたツールボックスより切り替えを選んで、上面図でも図4のようにコントロールポイントを追加します。
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図2
ブラウザ操作 |
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図4
切り替え操作 |
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●幹作り
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●コントロールポイントの収束
円柱の1番上のコントロールポイントを全部選択し、ツールボックスの編集より1点に収束します。Shiftキーを押しながらマウスでドラッグすると楽に選択できます。同様に1番下のコントロールポイントを全部選択し、1点に収束します。
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図5
端を収束
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●先っぽを尖らせる
円柱の根元の部分は太くなるように、先の部分は細くなるように編集し、木っぽくなるようにします。コントロールポイントを部分的に選択して拡大・縮小や均等拡大・縮小をするといいでしょう。でこぼこが気になる部分はコントロールポイントを選択して、ツールボックスより、アンスムーズ>スムーズ>アイロン、を実行すると良いでしょう。同時に木の節(部分的なでっぱり)も作ります。
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図6
滑らかに
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●複製して枝作り
図7のようにコントロールポイントの一部を引っ張って枝を作りましょう。何箇所かでも同じようにして引っ張ります。その結果図8のようになります。この時点ではおおよそ枝らしく見えないかもしれません。しかし葉っぱをつけたときにちらっと枝があるように見えれば良いので今はこのままで大丈夫です。
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図7
幹の複製
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図8
枝作り
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●もう一つの幹作り
次にもう一種類の幹を作ります。これは観葉植物などでたまに見かけるタイプです。円柱を作って両端を1点に集中するところまでは同じです。ただ、細長くなるようにしましょう。コントロールポイントも多めのほうがいいです。
次に@ツールボックスの複製より特別を選択し、A上面図にて図10のように円の上をクリックします。Bするとトランスフォーメーションウインドウが表示されるので、回転の項目中のYに90と入力してOKを押します。Cそしてツールボックスより繰り返しの2を選ぶと円柱が4本できたことになるはずです。
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図9
別パターンの幹 |
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図10
幹の複製 |
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●(続)幹作り
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●ねじりこみ1
図11のようにコントロールポイントを選択します。そして上面図にて4本の円柱の真ん中を中心に、ツールボックスの移動より回転を選び、90°程回転させます。このときShiftキーを押しながら回転させるとカッチリ90°回転させられます。
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図11
ねじりこみ
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●ねじりこみ2
下から1つの節ずつ同様にして回転させると図13のようになります。上の何節分かは枝を作るために残しておきます。
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図13
更にねじりこみ
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●根っこ作り
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●引っ張ったり伸ばしたり
うまくできたでしょうか?次に枝と根っこの部分を作ります。具体的には、円柱を1本ずつ選択し、ならねじっていないコントロールポイントを編集します。60°くらい傾けたり、引っ張って伸ばすなどして加工してみましょう。大部分は葉っぱで隠れてしますので気楽にやってみてください。根っこについても同様です。
それと根元の部分は全体的に少し太めのほうがいいので、下の部分のコントロールポイントだけ選択して拡大・縮小や均等拡大・縮小するといいでしょう。不安な人は図14を参考にしてみてください。
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図14
根っこ作り
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これで幹についてはだいたいOKです。次に葉っぱを作ります。リアリティを求めるのであれば1枚1枚葉を作るのがベストですが、作るのに時間がかかりすぎる、操作が重くなるといった問題点もあるので、今回はテクスチャを利用した方法を紹介します。
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●葉っぱ作り
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●長方形の作成
まず、ツールボックスのパートよりパートを新規作成します。次に、そのパートの中に図15のように長方形を作ります。
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図15
葉のもと
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●スクリーンキャプチャ
Shift+Ctrl+Gキーで画面を正面図だけに切り替えます。そしてできるだけ長方形を拡大した状態にしましょう。また他の形状(2つの幹)は、それらのパートを選択した状態でウインドウメニューの特別から”選択した形状を隠す”で隠せます。
これで画面には長方形しか表示されていないはずですので、ここでキーボードにある”PrtScrキー"を押しましょう。これで今表示されている画像がキャプチャされたことになります。ここまででShadeでの作業は一時中断です。これからテクスチャを制作します。
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図16
スクリーンキャプチャ
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●レタッチ作業
Photo Shopなどのペイントソフトを起動しましょう。新規作成でとりあえず1000×700のウインドウを作成しましょう。
これにウインドウメニューの編集などから貼り付けを選択しましょう。すると作成したウインドウに図16のような画像が貼り付けられたはずです。選択ツールや切り取りを利用して長方形以外のものをすべて削除しましょう。また透明部分を削除することができると思うので削除しましょう。
The Graphicsではウインドウメニューの編集よりドキュメント変更>余白の削除でできます。Photo Shop二ついては申し訳ありませんが分かりません。でもたぶん似た機能があるはずです。
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図17
余白の切り取り |
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●テクスチャも作りましょ
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●葉っぱを描く
長方形だけにできたら、レイヤーメニューで新規透明レイヤーを追加します。そして葉っぱの絵を1枚用意します。写真でもいいですが、今回の場合描いた絵のほうがいいでしょう。
私の場合図18の葉を使います。葉の画像をコピー&貼り付けをして新規のレイヤーにどんどん貼り付けていきます。このとき図17のような基の画像は削除します。出来上がったのが図19です。
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図18
葉のテクスチャ
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図19
葉のテクスチャ2 |
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●バンプ用にもう1種
出来上がったテクチャにフィルタ処理をします。図19に2階調化のフィルタを適用します。これをトリム用画像とします。同様に図19の画像にグレー化のフィルタを適用し、これをバンプ用画像とします。
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図20
トリム用
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図21
バンプ用 |
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●幹のテクスチャも作りましょ
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●樹皮を描く
今度は樹皮のテクスチャですが、これは私の技術では描くことができないので、写真を利用します。ネット上で写真や素材は無料でたくさんあるはずなので、著作権に違反しない範囲で自由に使えるはずですし、デジカメを使って自分で用意するというのも良いです。
今回は図22,23のような画像を用意しました。画像サイズは300×700ですが適当です^^;。長方形になっていれば大丈夫です。
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図22
木の写真 |
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図23
木のテクスチャ2 |
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●では、テクスチャを貼りましょ
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●形状への貼り付け
ここでShadeでの作業に戻ります。先ほど作った長方形を自由曲面に変換します。
次に表面材質ウインドウを表示させ、長方形を選択した状態で、新規作成ボタンを押します。図24を参考にして葉っぱ用テクスチャを読み込み、表面材質設定をします。
長方形の左下をCtrlキーを押しながらクリックし、表面材質ウインドウの右上にある”その他”をクリックします。するとその他の属性というウインドウが表示されるので、右上にある現在の座標を使用をクリックしてOKをクリックします。
表面材質ウインドウの下のほうに”変更”というのがあるのでそこをチェックしましょう。すると正面図に四角い枠が表示されるはずです。これを図25のような大きさになるように枠にある黒い四角を引っ張って調節しましょう。
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図24
質感設定 |
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図25
テクスチャの貼り付け |
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●他の階層への適用
図26のように表面材質ウインドウにある2つのMをクリックし、テクスチャ層2を選択します。ここでトリム用の画像を読み込み、図27のようにします。またここで2つのRをクリックします。属性をトリムにするのも忘れないようにしましょう。同様にして図28のようにしてバンプ用画像も読み込みます。
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図26
サイズ合わせ |
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図27
トリム設定 |
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図28
バンプ
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●形状の変形
長方形にコントロールポイントを追加し、図29のように変形します。形状を移動させるときは自由曲面ではなくパートを選択するようにしましょう。
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図29
形状変形
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●葉っぱ形状の複製
ツールボックスより複製の中の特別を選択します。上面図にてこの形状の真ん中あたりをクリックします。トランスフォーメーションの回転にてyについて20と入力します。次にツールボックスの繰り返しより8を選択します。
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図30
葉っぱ量産
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●葉っぱ形状の変形
長方形の束を1つのパートにまとめて収納します。そしてこのパートを直線移動で複製し、少し上に移動します。それを回転移動、均等縮小して図31のようにします。
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図31
葉っぱの整列
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●最後の調整
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●幹への材質適用
最後にそれぞれの幹に表面材質を設定します。詳細は図32,33、34、35を見てください。バンプ用画像については葉っぱのときと同様にグレー化のフィルタ処理をしたものです。表面材質設定は自由曲面をまとめて入れたパートに設定したほうがなにかと楽です。また、このパートはさらに別に作ったパートに収納します。そうしないとテクスチャがずれてしまいます。
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図32
幹1の設定 |
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図33
幹1のバンプ |
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図34
幹2の設定 |
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図35
幹2のバンプ |
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●最終レンダリング
葉っぱと幹との位置合わせができたら完成です。レンダリング画像は図36、37のようになります。
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図36
パターン1 |
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図37
パターン2 |
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●最後に
少し長くなってしまいましたがいかがでしょうか?今回は練習用ということで少し形が大雑把になってしまいましたが、葉っぱの形状を整えてあげれば背景などにも利用できると思います。ぼかしててしまえば尚GOOD。葉っぱの形状を整えて試しに植木鉢に入れてみました。部屋のインテリアとしてこんな使い方もありですね。
今回、自由局面1つ1つに表面材質を設定したため、データが大きくなりすぎてしまいました(100MBくらい)。これについてはテクスチャのサイズを小さくするなど工夫が必要です。そのためダウンロードデータは形状データと表面材質データに分けました。葉という名前のパートの中にパートがたくさん入っているので、それぞれに表面材質設定をしてあげてください。
●サンプルファイル
サンプルファイルはこちら(6.5MB)です。LHZ形式で圧縮してあります。サーバー容量の都合上削除される場合がありますのでご注意ください。
また、本サンプルによるいかなるトラブルについても自己責任でお願いします。特に、事前にチェックはしていますが、ウイルスチェックをされることをおすすめします。
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図38 完成 |
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