Shade3Dのコツ 〜基本の確認+α〜
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今回はカメラ、照明、質感設定といった基本操作のおさらいを3部に分けて解説します。
覚えておくべきこと、覚えておくと便利なことについて取り上げます。
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Shade3Dのコツ<カメラ編> |
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●まずはカメラから
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●カメラウインドウ
図1がカメラウインドウになります。まず1番基本となるのが@の部分です。ウインドウ左の十字エリアでスペース+マウスのドラッグで視線の向きを直感的に色々変えられます。この操作は透視図(4分割されたウインドウの右上)でスペース+マウスのドラッグでも同様のことができます。
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図1 カメラ |
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●ズーム
Aズームのところには数字があります。これがレンズの倍率のようなものになります。大きくなるほどズームされることになります。この部分をマウスでクリックすると数字を入力できるようになります。ズームしすぎたときなどは1度小さめの数字(50とか)を入力して望遠にするといいでしょう。
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●戻るボタン
B”<<”のボタン。ラジカセなどで見たことあると思いますが、そのままのとおり1つ前に戻るです。カメラ操作を間違えたときに重宝します。
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●記憶
C現在見ているカメラと同視線のカメラやスポットライトを作成します。コピーカメラを作っといて、色々な視点や効果を試してみたいときにテスト用として使うといいでしょう。
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●焦点
D結構大切なのが焦点です。ここを設定することで被写界深度を付けられます。要するにある基準点から離れたところをピンボケさせます。焦点は分散レイトレーシングの時に有効になります。それ以外にもプラグインでDepth Plusというのがありますが、私自身が持っていないので省きます。
焦点設定ですが、基準点を正面図や側面図などの上で2箇所、Ctrl+クリックした後に焦点ボタンを押すと設定されます。右のスライドバーでボケ具合を調整できます。0のままでは当然ピンボケはしませんので注意です。
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図2 焦点 |
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●焦点テスト
試しに図2のように右側の球に焦点を合わせます。図3,4,5、6はそれぞれ焦点の数値を0、0.05、0.1、0.3としました。比べてみるとだいぶ違うことが分かるはずです。私の経験からいくとこの数値はあまり大きくしすぎないほうがいいと思います。
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図3
焦点:0 |
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図4
焦点:0.05 |
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あまりぼけるとかえって不自然になってしまいますし。0.1前後で好みに合わせて試してみるといいでしょう。また被写界深度を設定するとレンダリング時間がだいぶ増えます。シーンにもよりますが2〜数倍程度です。
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図5
焦点:0.1 |
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図6
焦点:0.3 |
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そのほかの設定については省きます。これらは数値で視線を制御するための項目のようですが、これらを利用するほどカメラに凝ったことは無いですし、正直私自身よくわかりません。
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●魚眼レンズ
最後に魚眼レンズについてふれたいと思います。これは名前のとおり画面全体がゆがんだような効果を得られます。魚眼レンズの設定はレンダリングウインドウのその他で行います。後は好みの数値を入力するだけです。注意としてカメラは図8くらいズームにしないと求める画像が得られません。また数値を大きくするほどズームにする必要があります。
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図7
魚眼設定 |
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図8
魚眼とは |
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図9は数値を2に、カメラを図8のようにしたときのレンダリング結果です。中々面白い効果なので、作品に取り入れることで新しい表現ができるかもしれません。
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図9
魚眼効果 |
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Shade3Dのコツ<照明編>
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●基本的な照明も
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照明には何種類かあります。1つは無限遠光源です。これは太陽の光をシミュレートするようなものです。他には点光源、スポットライト、面光源があります。1つづつ確認していきます。
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●点光源
まずは点光源から。点光源は丸電球のようなものです。設置するときはツールボックスのCreatから点光源を選んで、上面図や側面図でクリックするだけです。そうすると画面中に小さな点ができ、ブラウザの中に点光源ができます。ブラウザの中の点光源を右クリック>形状の情報を見るを選択します。すると図11のようなウインドウが表示されます。
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図10 点光源 |
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●点光源のパラメータ
各パラメータの説明をします。明るさの数値を自分で変更できるので、ここで明るさ具合を適時調節します。光源の種類でスポットライトと点光源を切り替えます。減衰は光源からの距離による光の弱まり具合を表しています。1次減衰は距離に比例して、2次減衰は距離の2乗に比例して弱まります。
影は点光源による影をどの程度つけるかを決めます。無限遠光源や他の光源と併用する場合は0にするといいでしょう。影のソフトネスは影のぼかし具合のことです。これは分散レイトレーシングのときに適用されます。光沢や拡散反射は光沢具合や基本色について設定するものですが、慣れないうちはあまりいじらないほうがいいです。
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図11
点光源の設定 |
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●点光源のレンダリングテスト
ためしにレンダリングしてみます。このとき影を1、影のソフトネスを1にして分散レイトレーシングでレンダリングしています。(このとき無限遠光源のすべてのパラメータは0にしてあります。)
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図12
点光源の効果 |
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●スポットライト
次にスポットライトです。スポットライトは舞台であるようにある特定のものを照らし出すためのライトです。設置方法は点光源のときと同じです。点光源に比べていじれるパラメータが増えます。角度は光の広がり具合です。この数値が小さいほど限定された空間に光を当てていることになります。ソフトネスが大きくなると全体的にぼんやりと光が当たるようになります。ためしにレンダリングしてみます。
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図13
スポットライトの効果 |
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●面光源
次に面光源です。面光源は他の光源とは違い、閉じた線形状を使います。まずは長方形なり円なり好きな閉じた線形状を作成し、(円の場合は閉じた線形上に変換)右クリックで、形状の情報を見るを選択します。すると図14のようなウインドウが表示されるので、後は明るさを設定するだけです。
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図14 面光源 |
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面光源は分散レイトレーシングを使わなくても全体的に柔らかにぼかした影を表現できるのが特徴ですが、レンダリング時間がかなりかかります。レイトレーシングでもスポットライトを使った分散レイトレーシング以上です。
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図15
面光源の効果 |
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●質感の基本とテクスチャ貼り貼り |
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今回は質感設定とテクスチャの貼り方について説明します。私はモデリングと同等以上に質感設定は重要だと思っています。質感をしっかりつめておけば作品にも説得力が出てきますし、見栄えもぐっと良くなるはずです。ですのでしっかり身に付けておくと良いです。なお基本操作についてはここで最後になります。
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●質感ウインドウ
質感については図1のように表面材質ウインドウから設定しますよね。先ず大切なのが光沢です。光沢1と光沢2がありますね。厳密なことは分かりませんが、まず光沢1で光沢を付け、その周りに光沢2が出てくるといった感じです。
大抵のものには光沢があるのでなるべく設定するようにします。私の場合、光沢1とサイズは小さめの値に、光沢2は小さく、サイズを大きめにするパターンが多いです。ただし、金属やガラスを表現するときは違ってきます。これらについてはまた別の機会に解説しますが、光沢の値を大きめに、サイズを小さめにするとうまくいくことが多いようです。それと光沢には色を付けられます。白のままでもいいのですが、基本色に近い白い色にするのも良いです。
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図1
光沢設定 |
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図2
光沢の効果 |
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●反射
次に反射です。これは金属やガラスなど強く映り込みがあるときにのみ設定したほうが良いです。周りの物と背景を反射することになるのですが、背景の設定次第では映り込みが汚くなったり、明るく反射しすぎる場合があるので色々試してみる必要があります。
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図3
反射設定 |
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図4
反射の効果 |
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●透明度
透明度はガラスを表現するときには必須です。透明にしたいときは基本色は黒にします。そして透明度を1に近い値に設定します。色付きガラスにしたいときは透明度の色を変えるようにします。また、透明物には反射率と屈折率をあわせて設定します。詳しくは別の機会で解説しますが、例えば図5のようにします。
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図5
透明設定 |
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図6
透明の効果 |
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●メタリック
その他、メタリックは金属の光沢具合を表現するのに使うようですが、私はあまり利用しません。光沢とあわせて使うといいかもしれません。発光やソフトグローについては私自身まだよくわかっていないので省略します。バックライトは視点の後ろ側からの光を透過させる働きがあります。木の葉など半透明っぽいものに適用すると良いです。このとき若干透明度も設定します。
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●テクスチャ
次にテクスチャの貼り付け方に進みます。Shadeには何種類か貼り方がありますが、まずは平行投影です。この場合テクスチャを作成するときはキーボードのPrtScrキーを押して画面をキャプチャーし、ペイントソフトで新規作成した後に、編集より貼り付けをします。貼り付けた画像を基にテクスチャを描きます。なお、新規作成用画像は正方形にするのが無難です。出来上がったらShadeにて貼り付けます。
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●テクスチャ設定
表面材質ウインドウの左下に数字の1と”無し”って書いてありますね。無しをクリックするとストライプやらチェックやらの項目が出てきますが、ここでは1番したのイメージを選択します。すると下に新しいスペースが表示されるので図7のようにして右クリックをし、テクスチャを選択します。
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図7
テクスチャ設定 |
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●テクスチャの大きさ調整
テクスチャボックスの右にx,y,zとありますね。正面図に貼るならzを、側面図ならx、上面図ならyをチェックします。そして図8のようにオブジェクトの左下をCtrl+クリックし、表面材質ウインドウにあるその他をクリックします。
その他の属性というウインドウが表示されるので、そこで”現在の座標を使用”をクリックして閉じます。次に表面材質ウインドウの一番下に変更というのがあるのでチェックします。すると画面に四角い枠が表示されます。枠にさらに小さい四角があるのでマウスでドラッグしながら大きさを変えます。
後は何回かレンダリングしながらテクスチャがぴったりになるように調整します。尚、平行投影したオブジェクトは空のパートに入れた状態で移動しないとテクスチャがずれます。 |

図8
テクスチャの大きさ設定 |
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図9
テクスチャ効果 |
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●(続)テクスチャ貼り貼り
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●平行投影
平行投影は手軽にできるのですが、欠点もあります。まず、貼り付けた面に垂直な軸の面、例えば正面図に貼り付けたなら側面や上面のテクスチャが引き伸ばされてしまいます。また、オブジェクトを変形させてもテクスチャは付いてこないのでずれてしまいます。そのため平行投影は変形しないもの専用になります。私はこれがわかっていなくて何回か失敗した経験があります。
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●ラップマッピング
では変形させるもの(例えば人の顔)へのテクスチャはどうするか。この場合ラップマッピング(その他に円柱・球など)を使います。これなら変形してもテクスチャが付いてきます。ただし、ラップマッピング用のテクスチャを作るのは少しコツがいります。まず図10のような画像を用意します。面倒なら図10をそのまま使ってもかまいません。
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図10
確認用マップ |
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表面材質ウインドウでラップを選択し、図10のテクスチャを使用してみます。すると図11のようになります。あとは図10と図11を見比べながら新たにテクスチャを描いていきます。
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図11
テクスチャ位置合わせ例 |
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ちょっと省略しすぎた説明になってしまったかもしれません。よくわからない場合は連絡をもらえれば説明しますのでお気軽にどうぞ。
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